ゲームシステム(共通)

  1. プレイヤーキャラクター
  2. 移動画面
  3. 戦闘
  4. 冒険の書
  5. その他

プレイヤーキャラクター

本作ではプレイヤーの扱うパーティーとなるキャラクターに固有設定を持った人物が存在せず、プレイヤーの分身である主人公以外のパーティーキャラクターを任意で選んだ最大4人までのパーティーを作ることができる。

このゲームに登場するプレイヤーの扱うパーティーキャラクターは必ず一つの職業(キャラクタークラス)を持っており、装備できる武器や防具、レベル上昇時のステータス成長の傾向などは就いている職業によって決定される。また、キャラクターの性別もステータス上で設定されており、移動画面でのグラフィックが変化するほか、女性専用の武器・防具などが存在する。性別は、主人公であれば新しくゲームを始める際に、それ以外のキャラクターであれば登録する際に決定する。

呪文の数は前作の倍以上に増えるとともに系統別に整理され、以後のシリーズにおける呪文体系が本作で確立された。解説文中の呪文についての詳細はドラゴンクエストシリーズの呪文体系を参照。

主人公以外のキャラクターは「ダーマ神殿」で別の職業へ転職させることができる。転職資格は主人公以外のレベル20以上のキャラクター。転職後はレベルが1に戻るが、ステータス値が転職前の半分となるだけで、それまでに覚えた呪文はそのまま使える(武闘家の「会心の一撃が出やすい」などの、呪文以外の特殊能力は失われる)。例えば、魔法使いが戦士に転職すると、重い武器と呪文の両方を扱える戦士となる。

またこのゲームでは勇者ロトの秘密に関する物語でもある為主人公の名前およびルイーダの酒場で仲間になるキャラクターの名前には「ろと」もしくは「ロト」の名前は使用できないようになっている。

ルイーダの酒場

出発点となるアリアハンに「ルイーダの酒場」があり、パーティーの編成はここで行う。

ルイーダの店
登録されているキャラクターをパーティーに迎え入れたり、現在のパーティーメンバーを預けたりすることができる。ゲーム開始時にはあらかじめ3人のキャラクター(戦士・僧侶・魔法使い)が登録されている。また、通常は主人公をパーティーから外すことはできないが、一度ゲームクリアした冒険の書では主人公のいないパーティーも可能となる。
冒険者の登録所
名前、性別、職業を入力してキャラクターを登録し、ルイーダの店で仲間に入れられる状態にする。なお、キャラクターメイキングごとに、ステータスが変化する。主人公を含めて「ろと」とついた名前をつけることはできなくなっている。

職業一覧

括弧内の英語表記は北米版での表記(2つ併記してあるものは、左がNES版・右がGBC版)。

勇者 (Hero)
主人公の職業。勇者から他職業への転職はできず、主人公以外が勇者になることもできない。ステータスはちから、HPが高く、他の能力も平均的だがMPが低い。レベルアップ速度は最初は遅めだが、レベルが上がるにつれ速くなる。また、呪文は回復呪文から、勇者のみが使える攻撃呪文デイン系まで幅広く覚える。FC版では他の職業と違い男女でのグラフィックの違いがない。リメイク版で女性を選択した場合、母親から「男の子のように育てた」、アリアハン王から「いや、娘だったか」というメッセージが加えられる。FC版ではちからたいりょくなどで終盤戦士に劣ったがSFC以降は最終的に戦士に勝る。
戦士 (Soldier, Warrior)
剣や斧などの武器を使いこなす戦闘のプロ。ちから、HPが高く、勇者に次ぐ攻撃力の高い武器を装備できるが、すばやさが低い。呪文やブレスなどの特殊攻撃に耐性のある防具を装備できる。女性は発売当時に流行していたビキニアーマーの外見である。男女とも、のちの『ドラゴンクエストVIII』、『ドラゴンクエストIX』の一般人のキャラクターの中に再登場する(男戦士の容姿を模した装備品も登場する)。
武闘家 (Fighter)
戦士のような武器を使わず、体を使っての闘いを得意とする職業。レベルが上がるほど高確率で会心の一撃を繰り出すようになる。ただしレベルアップ速度は遅め。ちから、すばやさが高いが、剣や斧などを装備すると逆に攻撃力が低下する。基本能力が高い半面、有効な装備アイテムが極端に少ないため、装備品に費用がかからない。リメイク版では強力な装備が追加され、大幅に使いやすくなった。のちに男武闘家のみ、『ドラゴンクエストVIII』、『ドラゴンクエストIX』の一般人キャラとして再登場する(容姿を模した装備品も登場する)。
魔法使い (Wizard, Mage)
文字通り、多数の魔法を使いこなす職業。主に攻撃呪文(メラ系・ギラ系・イオ系・ヒャド系)や戦闘補助呪文を覚え、成長していくと「メラゾーマ」や「イオナズン」などの強力な攻撃呪文を習得する。MPやすばやさが高いが、その反面、ちからやHPなどは低く、装備できる武器・防具の攻撃力・守備力も低い。男魔法使いは唯一の老人である。のちに『ドラゴンクエストIX』で容姿を模した装備品が登場する。
僧侶 (Pilgrim, Cleric)
神に仕える職業で、回復呪文のエキスパート。回復・解毒・蘇生の呪文や攻撃呪文(バギ系・ザキ系)を覚える。魔法使いと比べある程度の武器・防具を装備でき、打撃もこなすが、少し打たれ弱い。また後半になると攻撃力もあまり成長しなくなる。男僧侶はのちに、『ドラゴンクエストVIII』の一般人キャラとして再登場する。また『ドラゴンクエストIX』で容姿を模した装備品が登場する。
商人 (Merchant, Dealer)
武器で魔物と戦う能力を身につけた旅の商人。アイテムの鑑定能力を持ち、戦闘後に余分にお金を拾うこともある。成長は最も早く、序盤は比較的ちから、HPが高いが、高レベルになると能力の伸びが鈍くなる。あるイベントでこの職業のキャラクターが必要なため、クリアするまでに必ず一度は連れて歩かなければならない。
遊び人 (Goof-off, Jester)
娯楽施設で働く職業。うんのよさは高いが、それ以外の全てのステータスが平均を下回っている。戦闘中にコマンドどおりの行動をせず、自分のターンを眠ったりイタズラしたりなどの遊びでパスすることがある。遊ぶ頻度はレベルが上がるにつれてますます高くなる。ほかの職業から転職することが出来ない。一人前まで育てると「さとりのしょ」が無くても賢者に転職することができる。男性は道化師、女性はバニーガールのような外見である。
賢者 (Sage)
厳しい修行を積んだ者だけがなれる職業で、僧侶・魔法使い両方の呪文を習得する。ルイーダの酒場での新規登録はできず、転職によってのみこの職業になることができる。通常は賢者への転職には「さとりのしょ」が必要(例外は上記「遊び人」の説明参照)。ステータスはバランスよく成長し、装備品は僧侶より豊富である。ただし攻撃力の高い武器が少ないため、打撃より呪文の方が強力である。レベルアップのためには多くの経験値が必要で、成長が遅い。のちに『ドラゴンクエストIX』で容姿を模した装備品が登場する。

ステータス

本作においては、「ちから」「すばやさ」(ドラゴンクエストシリーズの項を参照)に加え、「たいりょく」「かしこさ」「うんのよさ」のステータスが初登場となった。「ちから」「すばやさ」と下記の各ステータスの最大値は255となっている。

たいりょく
さいだいHPに影響する。レベルアップの際に上昇したたいりょくの値の2倍±2さいだいHPが上昇する。
かしこさ
基本的には呪文の覚えやすさ(習得レベル)に影響する。さいだいMPにも影響し、上記のたいりょくとさいだいHPの関係と同様である。
うんのよさ
運の良さを表す。“会心の一撃”の発生率に大きく関わっている事が攻略本によって公表されている。

レベルアップのときのステータスの上昇幅は、前作のように固定されておらずランダムとなっており、同じ職業・レベルであっても個人差が発生する(ランダム成長)。キャラクターのレベルの最大値は99で、以降の作品でも一部の仲間モンスターなどを除いてほとんどのキャラクターの最大レベルが99となる。

キャラクターのステータスを数ポイント上昇させることができる「ちからのたね」「いのちのきのみ」などのアイテムが新たに登場した。

移動画面

コマンド体系などは前作からおおむね受け継がれている。

昼と夜

本作では「昼」「夜」という時間の概念が取り入れられた。フィールドマップ上を一定歩数歩くと、時間が昼から夜へ、夜から昼へと移り変わる。昼と夜では町などの様子が異なり、夜には店が閉まることが多いが、酒場など夜に限り賑わう場所もある。夜は昼間よりもフィールド上に出現するモンスターのパーティーが手強くなり、地方によっては夜にならないと登場しないモンスターもいる。

宿屋に泊まることにより昼にすることができるほか、昼と夜を入れ替えるアイテムや呪文も登場した。夜間はボス戦など、イベントにより、終了後昼になるものもある。本作に限り、移動の呪文「ルーラ」または道具「キメラのつばさ」を使用したときにも昼になる。

乗り物・移動手段

呪文「ルーラ」・アイテム「キメラのつばさ」
今までに行ったことがある特定の町などの中から行きたい場所を選択して瞬間移動できるようになった。ただし、行ったことがあってもルーラ等で移動できない町や村もある。行き先を覚えるのは各キャラクター個別に設定されている。乗り物は瞬間移動した際には主人公たちとともに城や町などの近くへ移動する。
乗り込むことによって水上を移動する。水上ではエンカウントが発生する。浅瀬は通行できない。
不死鳥ラーミア
シリーズ初登場の空を飛ぶ乗り物。背中に乗ることにより、あらゆる地形の上を飛行可能であり、飛行中はエンカウントが発生しない。陸上の通行可能な地形であればどこでも離着陸可能である。

戦闘

前作の「ターン制」システムを引き継いでいる。本作ではキャラクターの「すばやさ」のステータスが、ターン内での行動の順番に影響する。また、パーティーの隊列の順番が影響するようになり、前列にいるキャラクターほど敵から攻撃を受けやすいが、敵モンスターの中には後列のキャラクターを集中攻撃するものもいる。隊列の並び替えは移動中に可能となっている。このほか、自分たちのレベルが敵に設定されたレベルよりもかなり高い場合は、固定戦闘である場合を除いて確実に逃げられるようになった。「麻痺」と「混乱」のステータス異常も新たに登場した(ドラゴンクエストシリーズの項を参照)。

本作では戦闘中に味方を攻撃(パーティーアタック)したり、敵に回復呪文を使ったりすることができる。味方への攻撃は、眠りや混乱に陥ったキャラクターを正常に戻すときなどに使用される。敵を無視して味方同士を対戦させることも可能である。

本作では、生き残っているパーティーの人数に応じて経験値を分けあうシステムが導入されている。つまり、1人で戦うとリスクは大きくなるが、得られる経験値は4人パーティーのときの4倍となる。

一部のモンスターはターン終了時に一定量のHPが自動回復する。回復量はモンスターにより異なり、ゲーム中のメッセージには表示されない。

冒険の書

前2作では「復活の呪文」と呼ばれるパスワード方式を採用していたが、本作は保存するデータの量が膨大となった。そこで本作からは、データ保存方式が、従来のパスワード方式から、内蔵電池によるバッテリーバックアップ方式に切り替えられ、最大3つまでの「冒険の書」(データファイル)としてロムカセット内部に進行状況を記録できるようになった。これによって、パスワードの書き写しや入力を行う手間がなくなり、短時間でゲームを中断・再開することが可能となった。

この方式が導入されたことにより、従来の復活の呪文では記録することができなかった、現在のHP・MPやステータス異常、また取得済みの宝箱などの情報が記録されるようになり、一度宝箱を開けて中身を取得するとその宝箱の中身は二度と取得することができなくなった。

しかし、内蔵電池の消耗、接触不良などによってバックアップデータが消失したり、実際には問題ないデータがチェックプログラムに異常と判定されて自動消去されるという事態も度々起きた。データ消失の際には真っ黒の画面に、冒険の書が消えたことを示すメッセージが表示され、同時に呪いの武具を装備した時の独特な効果音が流れるという演出が発生する。最悪の場合は、メッセージすら表示されずに商品購入状態の初期画面にされる場合もある。

その他

預かり所
アイテムや、所持金を1000ゴールド単位で預けることができる。パーティーが全滅すると所持金が半分になるが、ここに預けたゴールドは全滅しても減ることがない。アイテムを引き取る際に手数料が必要で、高価なアイテムほど手数料が高い。
モンスター格闘場
モンスター同士の試合でどのモンスターが勝つかを予想するギャンブル施設。勝つと思われるモンスターにゴールドを賭け、結果、賭けたモンスターが勝てばゴールドが倍率に基づいた額になって戻ってくる(特例を除き弱いモンスターほど倍率が高い)。賭け金はパーティーの先頭にいるキャラクターのレベルに比例する。
トラップモンスター
宝箱に化けたモンスター「ひとくいばこ」「ミミック」が初登場。宝箱を開けた途端に戦闘となり、逃げることはできない。「インパス」の呪文で中身を判別することにより戦闘を回避することができる。また、ピラミッドではミイラおとこが出現する宝箱が存在する。

「ドラゴンクエストIII そして伝説へ… - Wikipedia」より引用。)