ゲームシステム(リメイク版)

  1. 北米版(NES版)
  2. スーパーファミコン版
  3. ゲームボーイカラー版
  4. 携帯電話版
  5. Wii版

北米版(NES版)

北米で発売されたNES版 "Dragon Warrior III"では、独自のタイトル画面が用意され、タイトル画面のBGMは『ロトのテーマ』ではなく北米版オリジナルの曲である。また、冒険の書選択画面では、『ドラゴンクエストIV』と同じ間奏曲が使用されている。日本版には無かった、火山でのオルテガと魔物の戦いを描いたプロローグが追加された。

日本版での教会の十字架が五芒星のマークに、棺桶が幽霊のグラフィックに変更されている。

モンスターの持つ経験値とゴールドが25%(端数切り捨て)増えたため、レベルアップをはじめとした進行が日本版よりも早い。

スーパーファミコン版

前2作のリメイク作品『ドラゴンクエストI・II』に次ぐ、シリーズ2例目のリメイク作品。FC版の発売から8年後の1996年に発売された。

ストーリーはFC版に基づいているが、『I・II』のときと違い、FC版と比べ大幅な要素の追加・変更が行われている。後述の「性格」や「すごろく場」が追加されたほか、アイテムが多数増加し、中には「ルーズソックス」など発売当時の流行を反映したアイテムも登場した。FC版では女性キャラクター専用装備品しかなかったが、SFC版では男性キャラクター専用装備品も追加された。店の品揃え、ボスモンスターのステータス、モンスターから得られるアイテムなどの変更も行われている。

画面仕様やキャラクター操作、コマンド操作は、前年に発売されたSFC版『ドラゴンクエストVI 幻の大地』をベースとしている。同作から継承された要素として、ボタン1つの操作だけで会話や調査ができる「べんりボタン」、アイテムを管理する「ふくろ」(それに伴い預かり所がゴールド銀行へ変更)、町などの人々の会話の記憶機能、世界地図、ブーメラン・ムチなどでの複数対象攻撃、キャラクターの名前の変更機能、「ちいさなメダル」などがある。『VI』と同様に井戸に入ることも可能になった。戦闘画面も『VI』のものとほぼ同様の画面でモンスターグラフィックも『Ⅵ』調だが、モンスターが動く際の効果音が発するようになった。

本作から、移動中に限り「ふくろ」の中にあるアイテムをふくろから出さずに使うこともできるようになった。ちいさなメダルに関しては、メダルを収集しているのがアリアハンのメダルおじさんとなり、方式は獲得したメダルの累計によってアイテムを獲得する方式である。

プレイヤーキャラクター

新職業として「盗賊」が追加されている。

盗賊 (Thief)
戦闘後に一定確率で敵からアイテムを盗む能力を持ち、「とうぞくのはな」などの探索系の呪文・特技を覚える。レベルアップ速度が早く、全体的な能力値も高め。特にすばやさの上昇値が高い。序盤は戦士などに比べてHPや装備品の面で若干見劣りするが、中盤以降は複数の敵を攻撃できる武器が充実する。終盤では勇者や戦士と同等の装備品を扱える反面、高レベル帯になるとステータスの成長力がやや鈍化する傾向にある。

また勇者・商人・遊び人・盗賊は、『ドラゴンクエストVI』と同様に移動中の特技を「じゅもん」として使用することができるが、効果は補助的なもので数も少ない。遊び人はFC版では演出の域を出なかった「遊び」の効果が改良され、依然ランダム要素ではあるものの独自の使い勝手を持つキャラクターになっている。また、FC版では不可能だった他の職業から遊び人への転職も可能となった。女勇者専用のグラフィックと台詞も追加された。

FC版では性別によるステータスの上がり方の違いは無かったが、SFC版以降では男はちからやたいりょく、女はすばやさが上昇しやすくなっている。「たいりょく」と「かしこさ」のステータスのシステムがFC版と異なり、リメイク版ではたいりょく値の約2倍がさいだいHPとなり、かしこさ値の約2倍がさいだいMPとなる。

性格

各キャラクターに性格が設定され、同じ職業やレベルでもこの「性格」によってレベルアップ時のステータスの上がり方が異なってくる。性格は全46種類が存在し、ステータス画面で確認することができる。「性格」には、きれもの・タフガイ・ごうけつ・でんこうせっかといった男女共通の性格、むっつりスケベ・ラッキーマンといった男性キャラクター専用の性格、おてんば・おとこまさり・セクシーギャルといった女性キャラクター専用の性格の3タイプがある。初期の性格は、主人公であればゲームスタート時に出される質問に対する答え方により、仲間キャラクターであれば登録時のステータスのバランスによって決定される。

冒険中は、装飾品やアイテム「本」で性格を変えることもできる。装飾品は装備中のみ性格が変化、「本」は恒久的に性格が変化する。また、性格システムに関連した会話イベントも追加され、その会話内容によって性格が変化することもある。すごろく場で性格が変わることもある。

すごろく場

ゲーム中の全5か所に、旅人のすごろく場というミニゲームが登場した。挑戦には「すごろくけん」が必要である。無視してもゲームの進行には全く影響がないが、ここでしか手に入らないアイテムもある。

先頭のキャラクターがすごろくの駒となり、一定回数以内のサイコロでゴールを目指す。ゴールすれば宝箱からアイテムが入手できるほか、コースの途中やよろず屋でもアイテムを入手できる。ただしコース上では戦闘が発生したり、落とし穴などの罠が仕掛けられていたりすることもある。落とし穴でコースアウトしたり、HPや所持金が0になったりした場合は、サイコロの残回数があってもその場で終了となる。

シナリオ・マップの追加

オルテガの冒険と戦いを描いたプロローグがデモ画面で流れるようになった。NES版に存在した戦闘シーンに加え、主人公の誕生や冒険途中のシーンが追加されている。またゲーム中でもオルテガに関連するイベントが追加されている。

このほか、マップでの精霊の泉の追加、ピラミッドのイベントの一部変更、ポルトガの城でのセーブ機能の追加、一部の町での店の追加やメニューの変更などが行われている。

また、シャンパーニの塔のイベントをクリアしていないと、バハラタの東の洞窟へ行っても、「どうやら○○○○(中ボス)は留守のようだ」といったメッセージが表示されるだけで、洞窟のイベントが発生せず、そこから先へ進めないように変更された。

その他、パーティーから商人が抜けるイベントをクリア後、さらにイベントをこなしてから再び行き、パーティーから抜けた商人に話しかけると、アリアハンのルイーダの酒場で、パーティーから抜けた商人を再びパーティーに加えられるように、変更された。

エンディングに到達した冒険の書のみで行ける隠しダンジョンが新たに登場し、隠しダンジョン用のモンスター8種、および隠しボスも追加された。

本作の主人公は、エンディング後に人々の前から姿を消す。FC版では主人公1人が消えたのか、パーティ全員が消えたのかが曖昧であったが、SFC以降はエンディング中にさりげなくではあるが主人公のみが宴から退席している所が描写されている。

その他の変更点

BGM
BGMがオーケストラ版に基づいたものになり、一部の楽曲のキーも変わった。城・町・村のBGMは、昼と夜とで異なる曲が流れるようになった(夜の曲はいずれも昼の曲の編曲)。このほかにバラモス/隠しボス戦専用のBGM「戦いのとき」をはじめ、イベント専用曲なども数曲が追加されている。下の世界の町・ダンジョンのBGMは第1作『ドラゴンクエスト』と同様のものとなった。
まとめ買い
道具屋でのアイテム購入時の数量指定のシステムが導入され、最大9個まで一度に購入することができるようになった。これはSFC版の本作が初の導入となり、以降の作品(新作・リメイク版)にも受け継がれる。


ゲームボーイカラー版

ゲームボーイカラー専用ソフトとして2000年にリメイクされた。SFC版のゲームシステムやストーリーを継承しているが、通信機能を生かした後述の「モンスターメダル」などのオリジナル要素が追加されている。

ストーリーは、シャンパーニの塔のイベントをクリアしていないと、アッサラームの東の洞窟を通れず、バハラタの町へ行くことができないように変更された。

戦闘画面では背景は表示されないが、呪文などの演出効果やモンスターのアニメーションをSFC版から受け継いている。いつでもゲーム途中の状態をセーブして中断することができる「中断の書」機能が追加された。

モンスターメダル

モンスターを倒すと時々落とす「モンスターメダル」のコレクションを行うことができる。メダルは各モンスターごとに金・銀・銅があるが、最初は銅メダルしか入手できず、銅を入手することで銀を、また銀を入手することで金を入手できるようになる(ただし、モンスターによっては、パーティーに盗賊がいるとかなりの確率で入手しにくい仕様になっている)。モンスターメダルはゲーム本編のメモリーとは別のメモリーに記録されている。通信ケーブルを使い、一度に3枚までモンスターメダルを交換することもできる。

このモンスターメダルに関連し、第2の隠しダンジョン「氷の洞窟」が追加された。このダンジョンでは、一定のモンスターメダルを集めないと先に進めないようになっている。このダンジョン用の新たなモンスターと隠しボス・隠しアイテムも追加された。

その他の変更点

  • 「はやぶさのけん」を装備した状態で「ドラゴラム」を唱えると1ターンに2回炎を吐く。
  • BGM「戦いのとき」にイントロを追加。
  • ボス「バラモス」の呪文を封じた後のローテーション(行動パターン)が変更、自動回復削除、HP増加。
  • ボス「ゾーマ」に「ベホマ」を唱えた際に与えるダメージを増加。
  • 町や城における住民や兵士の配置がSFC版と異なる。
  • SFC版にあった台詞が一部、カットされた。
  • ダーマ神殿で転職した際、新しい職業で装備できる武器防具が自動的に装備されなくなった。
  • サマンオサにおける戦士ブレナンの葬儀がイベント化された。


携帯電話版

2009年から配信が開始された携帯電話アプリ。メガiアプリだが、前編アプリと後編アプリに分けられている。

  • F-01B,F-04B,N-02B,P-01B,SH-01Bには序盤を収録した体験版(製品版のセーブデータと互換性あり)がプリインストール。
  • Starプロファイル対応機種(2MB対応)と在来のDoja(1MB対応)では若干仕様が異なる模様。後者は一部音楽が削除されており、他の曲で代替されている(例、バラモス・闇ゾーマ 戦いの時→戦闘)
  • リメイク版を元に移植されており、グラフィック、サウンド共に『スーパーファミコン ドラゴンクエストIII』をベースとしたものになっているがすごろく場はカットされた。
  • オリジナル版、リメイク版には採用されなかったAI戦闘(「さくせん」コマンド)が採用された。

Wii版

2011年9月に発売。FC版およびSFC版が、FC版の第1作・『II』、SFC版の『I・II』とセットで収録。

中断機能が追加され、一部のセリフが変更されている。

「ドラゴンクエストIII そして伝説へ… - Wikipedia」より引用。)