ドラゴンクエストシリーズの第3作。堀井雄二の脚本・ゲームデザイン、鳥山明のキャラクターデザイン、すぎやまこういちのヒロイックな音楽などにより爆発的な人気を博し、発売日には量販店の前に数キロメートルの行列ができるなどの社会現象を巻き起こした。
物語は、「アリアハン」という国に住む16歳の誕生日を迎えた少年もしくは少女が、魔王に戦いを挑み死んだとされる父オルテガの後を継ぎ、世界征服を企む魔王バラモスを倒すために仲間とともに冒険するというものである。ロトシリーズ3部作の完結編と位置づけられており、前2作『ドラゴンクエスト』『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』の物語中に名が登場した伝説の勇者「ロト」、および舞台となった世界「アレフガルド」の秘密が本作で判明する。
ROMは前作の2倍である2メガビット(256キロバイト)ROMを使用、バッテリーバックアップのセーブファイル容量は64キロビットとなっている。ゲームシステム面では、仲間キャラクターの名前・職業(キャラクタークラス)・性別を自由に選び、パーティーを自由に編成して冒険できるという、キャラクターメイキングのシステムを取り入れている。また、シリーズで初めて、複数のフィールドマップが登場するようになった。そのためROM容量が不足し、製品版では一部の町やダンジョン、モンスターなどのいくつかの要素がカットされている。タイトル画面は真っ黒な無音の画面に「DRAGON QUEST III」と表示されるのみとなった。
日本における売上本数は380万本を記録。この数字は2006年11月頃まで他社の作品を含めた日本の歴代ゲーム売上本数でも十傑に入っている。2009年現在、この記録はドラゴンクエストシリーズでは『IX』『VII』に続き3位。ゲーム雑誌『ファミ通』の15周年・20周年読者投票企画ではドラゴンクエストシリーズ中では最も上位だった。キャッチコピーは「触れたら最後、日本全土がハルマゲドン」。
発売後には、ゲームブック化や小説化、ドラマCD(CDシアター)化も行われている(小説ドラゴンクエスト、ゲームブックドラゴンクエスト、CDシアター ドラゴンクエストを参照)。